スタンリー・キューブリック監督の名作。邦題は時計仕掛けのオレンジ。
制作は２０年近く前になります。しかしいまだに映画の面白さは色あせるこ
となく、バイオレンス映画の一級作品として、一部の人には楽しめる作品に
なっています。先日発表された”著名人の選ぶアメリカ映画トップ１００”
にも選ばれていました。ちなみにこれは名作”２００１年宇宙の旅”の後に
作られた作品だと思うとちょっと面白い。
　主人公は強姦殺人を笑顔でこなす１４才の少年アレクス。白い服装、黒い
ブーツと黒いハットに身をかため、蛮行の限りをつくす。”雨に歌えば”を
口ずさみながらの強姦殺人シーンは最高。
　ストーリーは、アレクスが仲間の裏切りにより、刑務所に入れられてしま
い、悪いことが出来ないよう人体実験をされ、再び悪事を楽しめるようにな
るまでを描かれています。この映画はストーリーよりも映像を楽しむ映画だ
ということを断っておきます。

　映画の中では絶えず
”インアウト”、”グルドゥル”、”ウェル×３”その他多数のアレクス語
があふれかえっています。これらがなんか格好いい！日本語字幕で見てもそ
の部分は正しくは翻訳されていません。これらは正しい英語ではないようで
すが、”ウェル×３”はタイタニックの中で使われていました。（これはち
ゃんとした英語かも）。

この映画を観て気付いたのですが、この監督は白い背景に赤い物体を置くの
が好きなようです。
”２００１年宇宙の旅”ではスペースコロニーの天井や床、家具、人間の服
装等すべてが白。ただしソファだけが真っ赤というシーン。
”時計仕掛けのオレンジ”でも強姦された人の家の一部屋が、白で統一され
ていて、ソファだけが異様に赤く。
”フルメタル・ジャケット”では、気の狂った兵士が、トイレで自分の頭を
銃で打ち抜き自殺。そこには真っ白なタイルに真っ赤な血が飛び散っていま
した。

　取り敢えずこの映画は大好きな映画の一つです。ただ一般受けはしないと 思うので、人にはお勧めしません。上の文章を読んで興味がわいた人だけ、 ビデオを借りて見て下さい。