〜YHAに初めて泊った日〜

　オーストラリアを一周する人たちの大多数が、１度は泊るであろ
う場所にバックパッカーとYHAがある。どちらも主要都市や観光地
に拠点？を構えていて、料金１０００円から２０００円くらいで大
部屋の相部屋に泊る事が出来る。

　二つの違いはYHA(Youth Hostel Association)はユースホステル
協会という団体の会員制宿泊所で、ここの会員になれば世界中にあ
るYHAに泊る事が出来る。また各YHAで連絡を取り合っているため、
「次は○×町のYHAに泊りたいな〜」なんて思ったら、泊っている
YHAの係員に頼んで予約してもらう事が出来る。

　一方バックパッカーは非会員制宿泊所なので、会員登録などの面
倒な手続き無しに気軽に泊る事が出来る。しかしバックパッカーは
個々に経営しているため、他のバックパッカーへの連絡が取り難い。

あと噂話ではバックパッカーはどこも汚く、ベットにシーツはない
しゴキブリはウジャウジャいる。その上従業員の態度は悪くて、酷
い目にあった。その点YHAはシーツはいつも綺麗だし、従業員もフレ
ンドリーなんだよ！なーんて言うのをちらっと聞かされていた。

今日泊るYHAは大丈夫なのだろうか？

志「簡単にYHA見つかりましたね。なんか想像していたのよりもか
　なり小さいですけど」
聡「うん。見つかったはいいけど、俺はYHAの会員じゃないから手
　続きしないと泊れないんだよね？」
志「そうですね。取りあえず受付カウンターに行きますか」

受付カウンターには誰も居なかったので、近くにあった呼鈴を押し
た。すると中年小太り髭面おっさんニコニコ顔が奥からのそりのそ
りとやって来た。

志「おっちゃん。２人泊りたいんだけど部屋空いてるかい？」
髭「おぅ！大丈夫だぜ。ここに名前と住所を書いてYHAのメンバー
　カードを見せてくんな！」
志「俺は持ってるんだけど、彼は持ってないんだ。大丈夫かい？」
髭「おぅ！大丈夫だぜ。俺に任せておきな！兄ちゃんこっちに来て
　くれ」

聡はカウンターに近づき髭面おっさんと、なにやらあーだこーだ会
話をして入会費Ａ＄３０（確かそれくらい）と宿泊費Ａ＄１３を払
い、メンバーカードを受け取った。

志「何の問題も無くいきましたか？」
聡「うん。大丈夫だったよ。ちょろちょろっと住所とか書いて金払
　ってそれで終っちゃった」
志「なんだすごい簡単なんですね。（チッ！トラブル無しか）」
髭「部屋は奥の左端だ。これが鍵だから後は適当にやってくれ」

おっさんニコニコ顔の指差す部屋の鍵を開けて部屋に入ると、２段
ベットが２つ置いてあり４人泊れるようになっていた。部屋は想像
していたより綺麗で、満足いくものだった。私たちは早速荷物を降
ろして夕食の材料の買い出しに向った。

写真で見ると汚れているように見えますが、それは私たちの荷物が
床に散らかっているのでそう見えるだけです。実際は泊るのには全
然支障はありません。
ん…。そう言えば私は大丈夫でしたが、聡はクセークセーと日本語
で騒いでいました。イヤ、本当に綺麗なんですよ…。