〜オーストラリアのYHA〜

　私たちはペコリペコの胃袋を満たすため、近くのスーパーに散歩
がてら買い出しへと出掛ける事にした。その時の私は本当に金が無
く、安い値段でブルジョア気分が味わえるスパゲティをこよなく愛
していた。（パスタでそんなのを感じていたのだから、いかに貧し
かった事か…）

　聡がフロントに行き、髭面おっさんにスーパーの場所を聞き出し
ていた時、私の目に一つの小冊子が目に付いた。それはＡＩＤＳに
関した小冊子であり、一番最初のページにはコンドームが添付され
ていた。

恐らくYHAの中でやる奴等がいるので、「行きずりでやるのは構わ
ないけど、病気とかになったら大変だから避妊はしなさいよ」とい
う配慮だろう。日本のYHAでは考えられない事かもしれない。

以下１９９９年９月３日朝日新聞夕刊の窓より抜粋
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　旅に出た若者たちに、安くて安全な旅を提供してきたユースホス
テルの利用者が、落ち込む一方である。民宿やペンションが増えた
事が原因だという。いろんな規則や決まりが、今の若者のスタイル
にあわなくなったからだという経営者もいう。

　滞在者の過ごし方も、変わってきた。ほとんどが個室に閉じこも
る。ミーティングやイベントにも参加しない。宿泊者同士の交流も
少なくなった。

　食事は、宿泊者全員のミーティングの後、一斉に食べた。飲酒は
厳禁。使った食器は、自分たちで洗って片づけた。夜は二段ベット
を並ベた大部屋で雑魚寝。男女は、夫婦といえども別の部屋。自分
専用の袋状になったシーツを持参し、出発前に、寝室の掃除をする
のも決まりごとだった。

　だが時代は変わり、規則は次々に取り払われた。個室が増え、男
女同室も可能になった。飲酒も認められた。食器を片づける義務も
無くなった。それでも利用者は減り続ける。
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聡「スーパーの場所分かったぞー」
志「聡、ほらコンドームが置いてありますよ」
聡「お、本当だ。オーストラリアならではなのかな？」
志「どうですかねー。日本に関して言えば置いてないでしょうね。
　日本のYHAは厳しいらしいですよ。なんか宿泊者全員で話し合い
　とかさせられたり、朝５時に起きて廊下掃除とかしないといけな
　いらしいですよ。まぁ噂なんですけどね」
聡「うわー面倒くさそうだな。日本のYHAには泊りたくないね」
志「しかもYHAの唄たるものがあって唄わされるらしいですよ」
聡「へーどんな唄？」

♪酒飲むな〜。煙草は吸うな、酒飲むな〜。女は男に抱かれるな〜
　廊下の掃除をしましょうね〜。話し合いも必要だ〜。酒飲むな〜
　　　　　　　　　　Song is YHA讃歌/Artist is Shiho /in1998

聡「おいおい穏やかじゃねーな」

これがPort MacquaireのYHAの共同キッチンです。どこのYHAでも大
きさに違いはあれこんな感じです。電気調理機があって、食料や調
味料の棚、共同食器、あとは冷蔵庫なんかが置いてあります。冷蔵
庫の中にペットボトルのコーラとかを入れておいたら、減っていた
なんて事もありましたが、それくらいならご愛敬です。