〜オーストラリアで３番目くらいに運がなかった日〜Ｐａｒｔ３

「ごめんなさい私が悪うございました」心の中でこの言葉を繰り返
しながら自分の車に乗り込み、シートに腰を下ろしてがっくりとう
な垂れた。
「マンリーまで来たのにAnnaには会えないし、車をぶつけるし、駐
禁きられるし…。良い事無しだし…。がっかし…」

しかしいつまでも落ち込んでる訳にはいかないので、気持ちをがら
りと変化させ、金を無心しに以前働かせてもらっていた会社に行く
事にした。私はその会社で、現地日本人向けにパソコンのインスト
ラクタをやっていたのですが、その時の給料をまだもらっていなか
ったので、もらいに行く事にしました。

会社の人に電話すると土曜日にもかかわらず、会社にいるという事
なので、早速出向く事にしました。給料は全部でＡ＄１８０（１５
０００円弱）もらえるとの事。私にとっては大金です。

「その金で反則金を払い〜の、夕飯に日本食レストランでラーメン
でも食い〜の、早い時間に寝てしまい〜のすれば、嫌な事なんて忘
れられるさ！明日の朝には元気いっぱいだ！やったね！」

しかしこれがまたまた新たなる不運を招くのであった。

会社はNeutral Bayという所にあるのですが、私の家への帰り道な
ので元来た道へ車を飛ばしました。（しつこいようですがシフトレ
バーは２に合せたままである）

Neutral Bayに到着し、会社の前に車を停めてから会社を訪ねた。
会社では女社長が仕事を黙々としていたので、仕事の手伝いをしな
がら、雑談をしながら、のらりくらりと時間を潰した。時間も良い
感じになってきたので給料を受け取り、会社近くにある日本食レス
トランに１人で向かった。

ちなみに日本食レストランとは名ばかりで、単なるラーメン屋であ
る。味付けに関しても、日本のに比べると大抵はまずい。その上値
段も割高の感じがある。それでも日本の味恋しさに、結構日本人の
客で繁盛しているのであった。

余談だが私は一時期Wynyardと言う場所にあるラーメン屋で、１ヶ
月間働いていたが最悪の一ヶ月間だった。詳しくは書かないが、こ
れを読んでる人で、これからワーキングホリディビザで渡豪して、
アルバイトをするなら、日本食レストランは止めた方が無難です。
時間に余裕があるなら日本でがっちり稼いだ方がいいでしょう。

さて単なるラーメン屋に到着し中に入ると、結構な数の東洋人でご
った返していた。私は空いていたカウンタに腰掛けてラーメンと餃
子を注文した。そして本棚からドラゴンボールのコミックを取り出
す。（日本の本や漫画を読むのも目的の一つ）

また余談だが、日本の雑誌や本はシドニーに関して言えば、何個所
か購入できる場所がある。しかしどれも日本の定価の１．５倍以上
するのが相場です。

ラーメンを食べながら”孫悟空とベジータの闘い”を真剣に読んで
いると、隣りの席に一人の日本人男性が腰掛けた。ふと彼と目が合
うと彼は。

「よお久しぶりじゃん！」

（げげ！おまえは俺がマンリーの学校に通っている時にずっと同じ
クラスだった、大嫌いなＴじゃないか！）

志帆（以下、志）：「ああ久しぶりだな。元気にしてた？」
Ｔ（以下、屁）：「元気に決まってるだろう。何やってるんだよこ
　　　　　　　　　んな所で？」
志：「ラーメン食いながらマンガ読んでるんだよ」（うるさいなー
　　このハゲは）
屁：「そうか。俺も同じの食べようかな？何食べてるの？」
志：「だからラーメンだって。あと餃子だよ。マンガはドラゴンボ
　　ール」（俺の貴重で楽しい時間に入り込むなハゲ）

彼の名誉のために言っておきますが、彼はハゲていません。

屁：「へーいいなー。マンガ俺にも読ませてよ。ちょっと貸して」
志：「駄目だよ。俺が今読んでるでしょう？読みたいならあっちの
　　本棚に別のやつを取りに行くか。俺が終るのを待つ事」
屁：「じゃあ面倒だからいいや。今何やってるの？仕事してるの？」
志：「ちょっと前までコンピュータのインストラクタやってたよ」
　　（俺に餃子を食べさせてくれ、ドラゴンボールを読ませてくれ。
　　　頼むよハゲ）

彼の名誉のために言っておきますが、彼はハゲていません。

屁：「いいなー。俺は今何もやってないんだよね。毎日超暇でさ、
　　　参っちゃうよ。なんか良い仕事ない？」
志：「へーそうなんだ。だったらさ日豪プレス（下記参照）見て仕
　　　事探せばいいじゃん」
屁：「うーん。俺もそう思ったんだけどさ、なんか面倒くさくって
　　　ね」
志：「へー…」（何だおまえは！どっちなんだよおまえは！本当に
　　　この馬鹿！はげ！）

ここまでくると彼に名誉などありません。彼はハゲです。

”ガチャン！”

屁：「わぁーごめんごめん。水こぼしちゃった〜。大丈夫？かから
　　　なかった？」
志：「ああ…大丈夫だよ。あの、もう俺そろそろ帰るからさ」
屁：「あれもう帰っちゃうの？またね〜ばいば〜い」
志：「ああ。またな…」

私はお金を払い、Ｔの顔を再び見ることなく単なるラーメン屋を出
ました。
「ああ…。やはり今日はツキがない。車をぶつけて、駐禁切られて、
挙句の果てにＴとの御対面か。ちくしょう…。このむかっ腹の気持
ちは一体どこにぶつければ良いんだ！」

そして周りを見渡し通行人がいないのを確認してから。

「ふざけんじゃねーよ！バカヤロー！」（日本語にて激怒）

しかし叫んだところで気分が晴れるわけなど無く、足取り重く自分
の車にトボリ・トボリ・と向うのでした。

だがこれで今日という日が終ると思うのは大々間違いでした。車の
前まで戻った時の事です。周りの通行人なんて一切気にせずにこう
叫んでしまいました。

「ふざけんじゃねーよ！バカヤロー！」（日本語にて激怒）

”INFRINGEMENT NOTICE---Penalty$60”
が我が超ポンコツのワイパーにがっちりと挟まっていました。

＊日豪プレス
オーストラリアの日本人向け月刊日本語新聞。内容はオーストラリ
アと日本の事件事故、イベント情報、コラム、アルバイト情報、住
宅情報など多岐にわたる。

http://www.nichigo.com.au/toppage.htm

これがオーストラリアの駐車違反の切符２枚目です。合せてＡ＄１
２０は、カードで支払いました。後から聞いた話しなのですがオー
ストラリアの駐車違反の取り締まりは結構厳しいようです。
警察官の取り締まり以外にアルバイトの取締官がいるようで、アル
バイトの方は、こんな所見回りこないだろう！という場所をつてく
るそうです。気をつけましょう。
というか、駐車して良い場所に停めましょう。