〜奴が我が家にやってきた！〜

私たちは優香（仮名）に別れを告げ、我が愛車ポンコツ君のシフト
レバーをＤｒｉｖｅに合せ、壮快に私のマンションへと向った。帰
路、私は心の中で呟いた「Ｄｒｉｖｅでずっと走れるからオートマ
チックって言うんだろうな…」

空港からシドニーの市街地を抜けて、ハーバーブリッジを渡りマン
ションに到着した。最高に眺めの良い２５階建てのマンションであ
る。ちなみにオーストラリアはイギリスと同様に、１階の事をＧｒ
ｏｕｎｄ　ｆｌｏｏｒ、２階のことをＦｉｒｓｔ　Ｆｌｏｏｒと呼
ぶため２５階建てでも最上階は２４階と呼びます。

志「どうぞ入って下さい。ここが僕のマンションです」
聡「ではお邪魔しますっと…。おーなかなか奇麗な部屋じゃないか。
　ちゃんと掃除もしてあるようだし。今は同居人の人は居ないの？」
志「今は出掛けてるみたいですね。そしてここが僕の部屋です」
聡「おーめちゃくちゃ良い景色じゃないか。ハーバーブリッジにオ
　ペラハウスが見えるじゃないか！すげーな！志帆が有一自慢でき
　るところだな。がはははははは！がっはっは！がはがは！」
志「…。（涙）」

聡「そうそう。それはそうといろいろとお土産を持ってきて上げた
　ぞ。まずは欲しがってたブランキーのＣＤと森ひろこの写真集そ
　れからアイドル雑誌の宝島にＢＯＭＢだ」
志「うわーありがとうございます。超うれしいです！やったー！す
　げー、オーストラアリアでこんなのが読めるなんて夢のようです
　よ。（喜）」
聡「そうか。喜んでもらえてうれしいよ。雑誌を見ながらでいいん
　だけど、ちょっと聞いてもらえるかな？これからの計画について
　ちょっと話したいんだけど」
志「ええいいですよ。何でしょう？（目はグラビアアイドルに釘付
　け）」

聡「これからの事で確認したい事が何点かあるんだけど、１点目が
　いつラウンド（オーストラリア一周旅行）に出発するか。２点目
　に出発までにしなくてはいけない事。３点目に栄里の事」
志「ふむふむ（しかし目はグラビアアイドルに釘付け）」
聡「１点目は、志帆が遣っているプログラミングの仕事が終り次第
　出発できると思うから、いつ仕事のけりがつきそうか。

　２点目は、いろいろあると思うんだけど。オーストラリア一周と
　なると約２００００ｋｍ弱の旅になると思う。そのためには車の
　修理点検を行ってから出発する必要があるし、道中に宿があると
　は限らないからテントとか必要だし、ガスボンベ等も必要だろう。
　それらをどうするか。

　３点目だけど、栄里が１９９８年０８月２７日にＤａｒｗｉｎに
　来る事になった。泊る場所はコンドミニアムになると思う。その
　日に間に合うようなルートを考え、コンドミニアムの予約を行わ
　なくてはいけない。それらについて意見を聞きたいんだけどどう
　思う？」

志「（アイドルの爪先を凝視しながら）まず１点目ですけど、プロ
　グラムの仕事はほぼ完了しています。あとはお客さんの承認を得
　れば終了です。けどそんなに簡単に承認はもらえないと思うので
　１週間は見ておいてください。

　２点目ですが車の点検修理はもちろんやってもらうつもりです。
　現在知り合いの知り合いに頼んでもらっています。テントやガス
　ボンベなどのキャンプ用品は既に揃っています。前の車のオーナ
　ーもラウンドをしていたので、その時のセットが全て残っていま
　す。

　３点目はルートは既に決まっています。オーストラリアの海岸沿
　いに国道１号線というのがあるので、それで行きます。コンドミ
　ニアムに関しては僕の持っているノートパソコンで情報を探して
　みます。（アイドルの太腿を凝視しながら）」
聡「ほほー、アイドルの写真に釘付けの割にはちゃんと聞いてたん
　だね。一応準備もちゃんとしてあるみたいじゃん。ちょっと俺に
　も宝島を読ませろよ」

志「僕は４点目の聞きたい事があるんですけど良いですか？」
聡「おう！なんだい？（目はグラビアアイドルに釘付け）」
志「聡の帰りのチケットはいつなのか？それによっては一周旅行は
　不可能になりますよ」
聡「うんとねー。１９９８年１０月０１日に、ＡＮＳＥＴ８８３で
　帰る事になってるよ。（目はグラビアアイドルに釘付け）」
志「そうですか。それだとちょっと不味いかもしれませんね。僕が
　思うに一周するのには２ヶ月半かかると踏んでいます。ひょっと
　したら一周できないかもしれませんよ。やばい…」

聡「おいおい！そんな事よりもこのアイドル見ろよ！めちゃめちゃ
　可愛いぜ！」
志「どの子ですか？本当だ！めっさ可愛い！きゃいんきゃいん！」
聡「まあ一周出来なくても良いじゃないか。旅なんて行き当たりば
　ったりを楽しむもんだぜ。ぎゃははは。お！この子も可愛い！」
志「そうですよね。計画で固めた旅なんて魅力ないですよ。ぎゃは
　ははは。お！本当だこの子もめっさ可愛い！今を楽しみましょう
　よ！」
聡「その通りだ！」
聡、志「ぎゃはははは」

聡「ところでさ、５点目の聞きたい事があるんだけどさ。俺も志帆
　の部屋に泊るんだよね？同じ部屋に」
志「そうですよ。けど大丈夫ですよ。俺は男に興味ないですから」
聡「いや違くてさ、この部屋にはシングルベットが一つあるだけだ
　けど、今晩から俺はどこに寝れば良いのかな？」
志「さっき言ったじゃないですか。キャンプ用品は全部揃ってるっ
　て！ぎゃはははは！」
聡「お−そうか！俺は早速今日からこの部屋でキャンプ用品を使っ
　て寝るわけだな！こりゃ良いや！」
志「そうでしょう！なかなか良いアイデアでしょう」
志、聡「ぎゃはははは」
聡「コイツ殺す！」

良い景色だ！毎朝起きるとこの景色が見えていたのですから最高で
す。家を探している時に、何件か周ってみたのですが、この景色に
魅せられてこの部屋に決めてしまいました。ちなみに中央に見えて
いる橋がハーバーブリッジ。橋の向こう側にみえる変わった形の白
い建物がオペラハウスです。