発行日 1999/09/05
オーストラリア旅行記 No.016
準備編 No.013
旅行日 1998/07/29 走行距離 0km
都市名 Manly 走行距離計 0km
総走行距離 18798km
〜Annaに会いたい〜Part1

志「こら!健二(匿名)!!前まで使えてた水温計があんたのとこ
 ろに修理してもらったらピクリとも動かなくなったぞ!」
健「え!本当?そんな訳ないんだけどな〜。あ!もしかして昨日キ
 ャンベラすごい寒かったでしょう?それが原因だよきっと。あま
 りにも寒い所に行ったんで水温が上がらなかったんだよ。」
志「え?そうなの?水温計ってそういう物なの?」
健「そうだよ〜。知らなかった?これからラウンドに出て暑い所に
 行ってごらんよ、水温計の針が上がりまくりだから。なんならシ
 ドニーのそこら辺走ってくれば?」
志「そうなのか〜。そうだったのか・・・。じゃあまた試運転して
 くるよ。それからまた結果を報告するわ・・・。」
健「うん。それがいいよ。結果待ってるからね。じゃーねー!」

Chin!

聡「どうだった水温計の話しは?」
志「健二(匿名)の話しでは、キャンベラがあまりにも寒かったか
 ら針が動かなかったんじゃないかって言ってるんですけど。」
聡「へぇーそうなんだ(そんな訳ないだろ!だったら何だ、北海道
 の車は夏しか水温計動かないんか!言い包められやがって)」
志「それで試運転がてらマンリーにちょっと行ってきます。」
聡「うん行っといで(まあ水温計が壊れてるくらいならラウンドに
 支障はないだろう)」

志「そしてその試運転ついでにAnnaに会いに行ってきます。」
聡「Anna?誰だそれは?オーストラリア人か?」
志「(ベランダの手摺りに掴まって身を乗り出し、遠くのオペラハ
 ウスを見つめながら)彼女は僕がマンリーの英語学校に通ってい
 た時のイギリス人の先生です。年齢は僕と同じで身長は僕よりも
 少し小さかった。顔もすごい可愛らしい顔をしていて、みんなに
 親切な子でしてね。彼女はね可愛い顔して頑張り屋さんなんです
 よ。」

聡「(股座を掻きながら大きな欠伸を一つ)そんで?」
志「(両手を紺碧の空に向って広げながら)オーストラリアにはワ
 ーキングホリディビザで来てるらしいのですが、その前は別のヨ
 ーロッパの国で英語の先生をしていたらしいんですよ。それも2、
 3ヶ国で。それなのに偉ぶった態度は全然見せず努めて明るいん
 です。そのラブリーAnnaにこれから会ってきます!」

聡「(ベットの中から)会えるの?むにゃむにゃにゃ・・・」
志「(寝ている聡の顔面を殴り付けながら)彼女に最後会ったのが
 4ヶ月くらい前です。正直言って学校にいるのかどうか分かりま
 せん。ひょっとしたらもうイギリスに帰っているのかも…。けど
 僕は会いたいんです!初めて好きになってしまった外国人のAnna
 に!」

聡「(気絶&熟睡)ZZZ…」

 私はAnnaに会えた時の事を考えて、カメラを手に車に乗り込みマ
ンリーへと向った。以前Annaを探しに来た時は不幸にも駐車違反の
キップを2枚も切られてしまった。

記憶の糸をたどりながら、Annaが居そうな場所を考えてみる。学校
に通っている頃に偶然Annaと出会った場所を。ビーチで散歩をして
いたAnnaに会った事がある。スーパーで買い物をしているAnnaに会
った事がある。

それらの場所を丹念に探してみるがAnnaは見つからない。それぞれ
の場所を2度3度と往復してみるがやはり彼女は居なかった。最後
にAnnaが居そうな場所である学校に足を運んだが、時刻は17時を
過ぎていて普通だったら生徒はおろか先生もいない時間だ。

ACE(Australia College of English)が私の通っていた学校だ。英
語が全くと言っていいほど喋れなかった私は、この学校で勉強をし
て本当に必要最低限の英語を習得した。それを教えてくれたのが
Annaだった。

その時のお礼を言いたいとかの気持ちではなく、純粋に会いたいが
ためにいるかも分からない学校入り口の扉を押した。3階建ての校
舎はそれほどの広さはなく、上の階から一つ一つ教室を覗いていっ
た。

自分が使っていた教室を覗くと懐かしい気持ちが込み上げてくる。
自分と同じくらい英語が出来ない色々な国の人々。スイス人や韓国
人、ブラジル人。色々な大陸の人々と、片言の英語で自己紹介をし
自分の国の説明をした。この学校で良い経験をさせてもらった。

感慨に耽けりながら最後の教室を覗いたが、そこにも誰もいなかっ
た。Annaには出会えなかったが懐かしい気持ちに浸り、楽しむ事が
出来た。最後の教室を後にして学校出口へと向った。すると今度は
安堵感が込み上げてきた。

Annaには会えなかったが心にけりを付ける事が出来たようだ。一応
出来る限りの事はやったつもりだ。これで心置きなくラウンドに出
発する事が出来る。そして私は学校出口のドアを押した。

しかし押したのと同時に、学校出口の側にある教員用の教室から黄
色いシャツに黒いコートを羽織った女が出てきた。

志「アンナ!」
私が通っていた学校−Australia College of English−です。この
学校はマンリーとボンダイに校舎を構えていました。私はマンリー
校に通っていましたが、マンリービーチから大変近い場所にあるた
め、勉強するよりも遊ぶのにもってこいの場所でした。
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