〜いい日旅立ち〜

Ｐｉｐｉｎ！Ｐｉｐｉｎ！Ｐｉｐｉｎ！Ｐｉｐｉｎ！Ｐｉｐｉｎ！

　電子計算機兼目覚し時計（なんちゅー商品だ）が朝の７時を知ら
せ、私はベットから優雅に目覚め、聡は固い床に毛布と薄い掛け布
団をひいたお手製ベットから鈍重に目覚めた。

出発の荷造りは昨晩のうちに殆ど済ましてあったので、後は最後の
荷物の運び出しだけである。再びSydneyに戻ってきた時、このマン
ションに戻るか分らないので全ての荷物を持っていかなくてはいけ
ない。

既に入れた荷物
テント用品一式、ガスボンベ、鍋、中華鍋、まな板、包丁、地図、
予備バッテリー、予備水、予備ガソリン、ビニールシート、クーラ
ーボックス、アイスノン、ＣＤウォークマン、お気に入りのＣＤと
テープ、その他台所用品、その他生活用品

これから入れる荷物
２人分の枕、１人分の掛け布団、私と聡のスーツケース、前日の夜
からキンキンに冷やした無糖紅茶、ノートパソコン、モデム

聡「さてとこれで全部かな？」
志「そうですね。これだけあれば一通りは大丈夫でしょう。」
聡「じゃあこれからの予定の確認をしよう」

１．国道１号線でSydneyを北上しBrisbane、Cairns、AliceSprings
　　、Darwin、Perth、Adelaide、MelbourneそしてSydneyに戻る、
　　左回りルートで行く。
２．栄里がDarwinに１９９８年０８月２７日に日本からやってくる
　　ため、それまでに絶対Darwinに到着する事。
３．Gold Coastに着いたらアコモネットという会社に行き、Darwin
　　でのコンドミニアムの予約を行う。

志「取りあえずはこんな感じですね」
聡「そうだな。あとは行き当たりばったりで大丈夫だろう」
志「それじゃあデビとゴゥミに別れの挨拶をして旅立ちますか」

　私はDavidとGohmiに別れの挨拶をするため、２人の部屋をノック
した。しかし出てきたのはGohmi１人であった。

志「ゴゥミ、それじゃあ出発するよ。３ヶ月後くらいに戻ってくる
　かもしれないけどそれまでお別れだ。短い間だったけど楽しかっ
　たよ。それじゃあね」
ゴ「こっちも楽しかったよ。また会える日を楽しみにしてるよ。そ
　うだ、志帆にこの帽子をプレゼントするよ。いつも志帆が勝手に
　かぶっていたこの帽子だ。この帽子は台湾の野球チームの帽子で
　俺のお気に入りの球団なんだよ。」（ホームページの自己紹介編
　でかぶってる帽子です）
志「いいのかい？ありがとう大事に使わせてもらうよ。ところでさ
　デビは何やってるの？」
ゴ「デビは昨日酔っ払って遅くに帰ってきて、まだグーグー寝てい
　るよ」
志「そうか…いつも通りだな。最後にお別れを言いたかったんだけ
　ど仕方が無いな。ゴゥミからありがとうと言っておいてくれ。そ
　れじゃあなゴゥミ」
ゴ「それじゃあ」

　私はGohmiから帽子を受け取り、最後の握手をしてマンションの
部屋を後にした。しかしこの帽子はわずか３日後に盗まれてしまう。

私たちは最後の荷物を車のトランクと後部座席に詰め込んだ。

志「これで準備は全て整いました。ぼちぼち出発しましょうか」
聡「そうだな。出発するか。まずはどっちから運転する」
志「私から運転しましょう。今日の目的地はPort Macquaireです。
　距離にして大体４００キロなので、２００キロ地点で交替しまし
　ょう」

聡「それじゃあ出発進行だ！さあこぶしを振り上げて！」
聡、志「エイ！エイ！オー！」
（くどいようだがそんな事は言っていないし、やっていない）

台湾人のGohmiです。可愛らしい顔をしている彼は自称お坊ちゃま
です。彼の両親は台湾でカジノのオーナーをやっていてめちゃくち
ゃ金を持っていると言っていました。また彼の左の胸には１６歳の
頃に入れた龍のＴａｔｏｏがあり、当時２０の彼は若気の至りだっ
たと嘆いていました。