〜ケアンズに着きましたよ〜
宿が決まった私たちは、少し離れた無料駐車場に車を停めて、ス
ーツケース等の荷物をバックパッカーに運び込んだ。
バックパッカーもＹＨＡも泊まるシステムには大差はないようだ。
フロントで泊まる旨を伝えて、ＹＨＡとさほど変わらないＡ＄１６
を支払らい、ドミトリーに寝転がった。
ケアンズはオーストラリアの北の玄関口であり、日本から一番早
く到着できる場所だ。この街はダイビングスポットとして名高いグ
レートバリアリーフがあり、数多くのダイバーが訪れる。ダイビン
グ以外にも楽しめる場所が多々ある上、気候が年間を通して暑いの
で、リゾートを味わうのにもってこいの場所だ。
ただここはあまりにも日本に有名なので、街の至る所で日本人を見
掛ける。街中にあるほとんどのレストランには、日本語メニューが
置いてあり、日本語が話せるスタッフもいるので、外国気分を味わ
いたい人には多少物足りないかもしれない。
それとあまり知られていない事だが、ケアンズはシンレッドライン
という映画の撮影が行われた場所でもある。
〜ラフティングをやろう！Ｐａｒｔ１〜
私たちはケアンズこそバカンスする街と位置付け、それぞれに何
をして遊ぼうか胸を小躍りさせていた。私たちがまず最初にやろう
と決めていた物。それはラフティングだ。
ラフティングとは川の上流からゴムボートに乗って、川下りをする
遊びだ。遊びというと、緩やかな川をそろ〜っと下るのをイメージ
してしまうかもしれないがとんでもない。
ボートに８人ほどの漕ぎ手とリーダーが乗り込み、全員救命胴衣と
ヘルメットを着用。行う前には”何か怪我をされても当社は一切関
係ありません”という誓約書にサインをさせられてしまう少々危険
を匂わす遊びだ。しかしだからこそ面白い。
私たちは部屋に荷物を降ろして、明日のラフティングの申し込み
を行い、早々に眠りに就いた。ラフティングをやる日の朝は早い。
翌朝、集合時間６時３０分に間に合うように起床し、待ち合わせ
場所へと向かった。待ち合わせ場所からはバスに乗り込み、延々２
時間かけてタリー川へと向かう。
今回申し込んだのはレージングサンダーという会社のラフティング。
コースには半日コースと１日コースとあるのだが、選ぶなら一日コ
ースの方が断然良い。半日コースだと短すぎて日本に帰ってから悔
やむ事になるだろう。なんせ１日コースを体験しても、またやりた
いと心が疼くのだから。
いつしかバスは、満員の乗客に半分の日本人を詰め込んでいた。バ
スの中では英語と日本語による、ラフティングの遊び方と危険性が
説明され、各人に誓約書が渡された。
バスがタリー川上流に到着した時、既に５台ほどのバスが駐車場に
停められており、約２００人の人たちがヘルメットと救命胴衣を装
着しボートに乗り込む準備をしていた。私たちもバスを降りるや否
や、ヘルメットと救命胴衣そしてオールが手渡され、準備に取り掛
かれと指示が言い渡される。
ケアンズはオゾンホールが薄いため、紫外線が人間の柔肌に、目に
見えない傷痕を残す。そのためケアンズは皮膚癌の発生率が高いら
しい。ラフティングはずぶ濡れになるため水着で挑むのだが、肌が
出ているところに、日焼け止めを塗るようにとの指示も出された。
準備が終わるとボートに乗り込むクルーの発表が行われた。私が
乗るボートは日本人インストラクタが担当し、私と聡、新婚カップ
ル、女３人組みの、計８人で構成された。
インストラクタに乗る位置を言い渡され、左舷と右舷の２列に別れ
て座り、先頭２名に私と新婚の男性、その後に女性が続き、一番後
ろに聡が座る事になった。
ウキウキドキドキを抑えながら、ボートに乗り込んでいざ出発。最
初は緩やかな流れの中で、いろいろとレクチャーを受け、談笑しな
がらボートは進んでいく。私のインストラクタは下ネタが好きなの
か、Ｂカップの女性がラフティングをやって、全裸で岩に打ち上げ
られた話しを披露していた。
Ｂカップの話しが終わった頃。川は違った様相を見せはじめた。川
の幅はどこも２０ｍほどあるのだが、所々に大きな岩が点在し、そ
の狭い中を水の流れと共にボートが滑っていく。
流れは一定の方向に定まる事はなく、右に大きく曲ったと思ったら、
それよりも大きな角度で左へ。左へ大きく曲がったと思い、次に右
に傾く準備をしていたら、更に左へ曲がっていく。しかも左右のカ
ーブだけでなく、１ｍほどの滝からボートが落ちたりもするので、
予想不可能である。
それはオールで漕ぐという感じではなく、ただ激流に流されていく
のみであり、インストラクタの「右！」「左！」の指示にしたがっ
て、体を右舷左舷に寄せるだけであった。他のチームでは激流に体
が耐え切れず、川に投げ出されている者やボートごと転覆している
チームもあった。残念な事にＢカップを投げ出している者は居なか
った。
川の流れが再び揺るやかになり午前の部が終わった頃には、全身が
びしょ濡れになっていたが、真上から照り付ける太陽を、目をつむ
り顔を向けると何とも気持ちが良かった。
昼食は一旦上陸してスタッフの手作りランチが振る舞われた。振
る舞われたといっても普通のパンで、ハンバーグとレタスを挟んだ
ハンバーグだけであったが、一仕事（一仕事？）を終えた後だった
ので最高においしかった。
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