〜あくまでドライブ〜
翌朝モーテルにて朝食を頂く。食パンにバターとジャム、それに
紅茶とコーヒーが山盛りに置いてあって、飲み放題の食べ放題にな
っていた。今までの道中で朝食なんて食べていなかったので、腹は
全然減っていなかったのだが、チャンスとばかりに無理矢理腹に詰
め込んだ。
満腹の腹をさすりながら、日課であるエンジンオイルの点検をす
る。するとモーテルに飼われているのだろうか、２匹の犬が異常に
うれしそうに近寄ってきた。しばし点検を中止し犬たちと遊んだ。
犬にもお国柄というのが出るのだろうか。この犬たちもオージーと
同様に人懐っこく、元気でやんちゃだった。楽しい一時だったが、
お蔭で首筋がよだれでべとべとになってしまった。
私たちは車に乗り込んで、カモゥウィールへと向った。
それにしても暑い…。相変わらず天気は絶好調。とにかく暑い。
ポンコツ君にも一応クーラーがあるのだが、とてつもなく役に立た
ない。なぜだか分からないが、こいつは連続１０分間の使用しか耐
えてくれず、その後使い続けると素早く外気を取り込んで、車内を
サウナにしてくれる優れものだった。
１０分間冷風を浴びたら、１０分間クーラーを止める。そしてまた
１０分間だけ冷風を浴びる。オートクルージング機能を使っている
ので、運転席であぐらを組みながら「アチーアチー」を連発する。
私と聡は「アチー」以外の会話を交わさない。
志「暑いっすね」
聡「本当に暑いな」
志「なんでこんなに暑いんですかね？」
聡「まったくもって暑いな」
志「話しは変わりますけど暑いですね」
テープからは、今の私たちにぴったりの曲が流れていた。
♪アスファルトが溶けている。道ばたの木も枯れている。
ボンネットの上焦げている。下から何か洩れている
ついてくるなよ黄色い太陽。
ラジオが話しかけている。バナナが腐りかけている
そうする事に決めたから、狭い角度に決めたから。
邪魔をするなよ黄色い太陽。
俺の辞書に文字なんてないよ。
はるかな道を独得の道を、選んだと行くのだと。
坂の途中でひと休み。タイヤの溝も減りかけた滑る。
俺の生き様をまじまじと
見てておくれよ黄色い太陽。
ついておいでよ俺の太陽。
見てておくれよ俺の太陽♪
（あくまでドライブ／奥田民夫−１９９８）
奥田民夫はひょっとしてオーストラリアでドライブしたんじゃな
いだろうか？
志「暑いっすね〜」
聡「暑いっすな〜」
なんやかんやでカモゥウィールに到着したが、そこもリッチモン
ドと同様に暑く寂れた街だった。
| 
前の旅行記へ